本気で企画しながら実現しなかったプランを面白いので紹介しよう。
CMフォンの公衆電話。CMフォンは前述しているがレストランの洗面所などに設置し
音声CMを聞けば国内、海外へ5分だけかけられる。
電気メーカーとの提携でメーカーから発売される電話機に格安国際電話や国内電話のプログラムをあらかじめインストールしておいて消費者はすぐに格安電話サービスが
手続き無しにかけられる。
メーカーには通話料に応じてコミッションが支払われる。
プリペイドで登録した客はパソコンセンターに電話して自分の名前を名乗り
声紋チェックを受ければあとは番号やかけ先の名前を口で言うだけで
相手に繋がる。どの電話機でも人の電話機を借りても公衆電話でもかけられる。
こんなプランを朝から晩まで考えてた。普通事業の成功は「千三つ」って言うだろ。
1000考えても3つしかうまくいかないという例えだけれども
俺にしてみれば1000考えて3つもうまくいくなんてすごいじゃんって思ってしまう。
一年毎日3つ考えてれば3つもうまくいくんだぜ。
話は現実に戻り
CMフォンのプログラムはLAでやったのだがサーバーの設置は日本のお台場の
完成直後のテレコムセンターにすることになった。
場所を賃貸して俺のマシーンを置くのだ。しかしそのサーバーはなんとアメリカから
運ぶことになった。日本のマシンは高くてとにかく遅れているので話にならない。
エンジニアを二人アメリカから連れてくる事になったのだが、問題はアメリカと
日本の電話のプロトコールがまるで違う事。
いままでの日本の通信業者はこれで諦めみすみす日本の高いマシンを買ってしまう。
資金が潤沢にない俺はなんとかアメリカの電話規格を日本にアダプトできないか
研究させた。数週間後可能だとの返事を得た。
やったーという気持ちだった。
多分格安のアメリカ規格の高性能の電話交換機サーバーを日本へ持ち込んだのは
俺が始めてだった。
場所は日本でもマシンも回線も全てアメリカ製なのだ。
とにかく10分の一くらいの値段で同じ事ができた。
不眠不休で床に転がって仮眠を取りながら設定の作業をした。
この事業はいずれは撤退するがそれまでは稼ぐだけ稼いでおきたかった。
お金がない分、体力と頭を使うのが俺のやりかたなんだ。
ふふふ、ついに日本の電話業界へ黒船来襲だ。