ロンドンへの出張の仕事をすませて時間があったので
世界的に有名なサザビーとクリスティーズに行ってみた。
サザビー通りにあり、このオークションハウスは映画007「オクトパシー」
にも登場する。またサザビー通りの売店も確か出ていた。
古めかしい建物でドアマンが扉を開けてくれる。
まず通るのがギャラリー。ここには今日競売出される商品の展示とリストが
ある。
さらに一週間後に開かれる競売の商品も展示されている。
そしてオークション会場へ入る。どこに座ってもかまわない。
ここの競売はあいとあらゆる物が出品される。
ゴッホやゴーギャン、ピカソなどはもちろん、面白いものだと映画「カサブランカ」で
登場した黒人のピアニスト サムが「As times goes to by」を弾いたピアノなどが
出品され約3000万円で落札されたりする。
オークショニアが競売を仕切っていく。
大きな電光表示板で最初にポンドで表示され下にアメリカドル、フラン、マルク、
などで瞬時に計算されていく。
その様子が実に優雅で上品なのだ。築地の朝の魚のセリとは訳が違うのだ。
それでいて誰が手をあげるでなく値段を叫ぶでもなくセリの単位が予め決まって
いて合図をするごとにその単位で上がっていくようだ。
ここで暫く見ていて勉強になるのは英語の数字を瞬間的にだんだん聞き取れるように
なってくることだ。
オークションに参加してみることにした。
特に競り落とすことは考えずに指で合図してみる。だがすぐにさらに上を追い越される。
その練習を積んで狙いをつけたエミール・ガレ作の小さな壷の出品を待った。
クライアントの要望に合う商品のひとつだ。
会場の横には机があり代理人が電話機をにぎり競売の代理人を務めている。
海外からも電話で競売に参加できるのだ。
この壷はクライアントに依頼されていたものであった。
今度はセリの進行を見極め最後に勝負した。
コツは相手が出した値段に即座に間髪入れず応酬することだ。
考えてしまうと相手もじっくり考え値段がつりあがる。
相手もここまで上がるとちょっと無理したかなって表情が出てきたら
勝負をかける。
だが中には全くのポーカーフェイスがいるしとにかくギャラリーのオナーが多く
ベテラン揃いなのだ。
諦めるときはあっさりひく。熱くならないのだ。
ヤフーオークションでは皆意地みたいに値段が上がっていくだろ。
たまにこんな値段で落としてバカじゃないのって思うものもヤフーの
落札結果見るとある。
オークショニアがツチを打って終了だ。その後清算に入る。
梱包と郵送か持ち帰りの打合せをする。
ゴッホのひまわりの大きいのだと200億円で落札されたりする。
また最近ではアメリカで始めての野球カードが出品される予定らしいが
予想落札価格は35万~50万ドル(3600万円から5200万円)。
たったカード一枚がだよ。信じられない。
ディズニー関連はアンティークは高値安定だ。
ビートルズ物もすごく高い。
サインでも4人そろって本人たちが書いたものは少ない。
にせものものもあるが誰が代筆したかで値段が変わるという。
マネジャーのブライアン・エプスタインかディレクターのジョージ・マーティン
などが代筆していたらもう高い!
とにかくお金はあるところにはあるもんだとつくづく思った。
けっこうそれからオークションにはまって大きな本棚を買ったりもした。
とにかく優雅で楽しい。