アメリカでは子供の行方不明が実に多い。
スーパーで牛乳を買ってもコーンフレークを買っても
パッケージにミッシング(行方不明)の子供たちの
顔写真が出ている。
行方不明の子どもを利用して儲けようとする商売人たちにもある。
その中でも有名なのはアドヴォ社だ。
この会社は、毎週、全米の家庭に向けてなんと6000万枚ものハガキを送りつける。
ハガキの片面には、行方不明の子どもの顔写真と、誕生日、目の色、髪の色などの身体的特徴が書かれている。
そしてもう片面にはなんと地元企業の広告が載っている。
子どもの顔写真の上に書かれた「私を見たことがない?」というメッセージには、二つの意味がある。「この子を見かけたことがないか?」という問いかけであると同時に、「その企業や商品を知っている?」というメッセージを発信しているのだ。
一見誘拐を金儲けにして顔をしかめるかもしれない。
しかし金儲けだろうがなんだろうが子供の見つかる可能性は
飛躍的に伸びる。現にこの広告により多くの子供が発見保護されている。
ドミノ・ピザ、タイヤマン、ハイドロフロー、トワイニング社の絨毯とカーペット・クリーニング等広告はさまざまだ。
他にも、万が一、子どもが行方不明になったときに捜査資料として警察に提供するための、子どもの映像ビデオを無料で製作するサービスを提供するビデオレンタルチェーンで有名なブロックバスター社。
さらに万が一のときに「FBIやCIAの元エージェント」が捜査にあたってくれる、という保険のために年間保険料300ドルを支払うサービスを提供する「ファミリー・プロテクション・ネットワーク」など、ありとあらゆる”誘拐ビジネス”があるんだ。
日本では考えられない事だ。
親が買い物に夢中になっているときにいなくなって
しまうケースも多い。
マンハッタンでも子供と買い物する時には親は気を遣う。
犬みたいにリード(引き綱)を付けている親もいる。
但し首にではなく腕に付けているが。
5番街57ストリートにあるビルがまるごとオモチャのデパート
FAOや郊外のトイザラスでは親が子供の迷子を店に届けると
約10秒くらいで全ての出入り口を閉鎖する。お客はいったん閉じ込められる。
そしてひとつの入口だけで出る事ができる。
その際全ての子供を親が目で見て自分の子がいないかチェック
する。
そしてガードマンが店内を一斉に探して周る。それはそれはものもの
しいのだ。
ここまで子供の誘拐が日常茶飯事化しているという事だ。
また親も子供を子供の友達の家に遊びに行かすのもとても気を
遣っている。
誘拐が身代金目的のものとは限らない。むしろそれはまれだ。
NYなど離婚がしょっちゅうで3組に2組が別れる現在では
バツ2、バツ3などもぜんぜん珍しくない。
そして子連れで結婚する事が多いのだ。子供の参観日や
卒業式には産みの親、育ての親、法的な親とずらりと
くる様子はほんとにおかしい。
産みの親意外はステップマザーと呼ぶ。
そんな複雑な親子がいると例え親権がなくとも子供を
連れて帰ってしまうケースが多い。
またアメリカ人からすると日本人の子供は可愛く映るらしく
日本人が白人の子供が可愛いのと同様の感情を持つらしい。
アメリカは子供の命には非常に敏感だ。
以前テロでリビアがロンドンに爆弾をしかけアメリカの子供が
巻き添えをくって死亡した事件があった。
アメリカの反応は素早かった。すぐさま中東に第7艦隊を派遣し
リビアのカダフィの邸宅に爆撃を加えてカダディ夫人が亡くなった。
カダフィはそれから一切のテロから手をひいた。
だからテロリストもアメリカの子供の命には気を遣うらしい。
ある日本人駐在員がショッピングセンターでちょっと買い物するのに
寝ている子供を起こすのは可愛そうなので車に寝かせたまま買い物に
行った。
20分程して駐車場に戻ってみるとパトカーが3台来ていて警官が
車を取り囲んでいた。
子供は別になんともなく無事だったのだが親はいきなり後ろに腕を
回され手錠をかけられ逮捕されてしまった。
実はアメリカでは子供を車に残して車から離れる事は重大な罪なのだ。
この法律をこの駐在員は知らなかった。
でもアメリカの子供たちは日本の子供たちよりもはるかにのびのびと
育っていく。
日本は自分を団体の中ではころす事を教える。
アメリカは自分を主張する事を教える。
ここからしてまずビジネス戦線では日本人はハンディなのだ。
俺は子供はアメリカで育ててみたいんだ。
夢は高校はアナ・ポリス(海軍兵学校)かウェストポイント(陸軍士官学校)に入れてアイビーリーグの大学へいかせる事。