俺はよく考えてしまう。日本人は国際経済力世界第2位だとか
日本製品は優秀だ。世界のどこ国へ行っても金持ちと思われ
優秀と思われ慕われ尊敬されていると。
しかし日本人個人の気持ちは持ち上げられても実際の
日本人の日本での余暇を見ているととても疑問に思う。
NYでは12月や1月、2月には仕事先に出向くと突然真っ黒に
日焼けした顔で出て来る時が多い。
マンハッタンから冬場最もよく出かけるのはカリブ、バハマ、フロリダ
等だ。ここに一週間から10日も遊びに行くのだ。
飛行機とホテルをパックにしても6万円くらいなものだ。
車で遠出しても高速料金はただだしガソリンはほんとに安い。
ロッキー青木さんも冬場はフロリダへ住む場所を移動して過ごすのだ。
南国の真っ白な大きなクルーザーが椰子の木の茂るハーバーに
たくさん係留してあり大きなガラス張りのドーム型の
静かなレストランに佇んでいると幸せを感じるのだ。
以前、ヒロ中島さん
ハワイ プチ富豪の成功法則
の本でも著したようにNYでは成功した人間がいかに早くリタイヤするかがステータスになっている。
南国に土地を購入して家を建てたり、中には島をまるごと買って住んでる
人もいる。
そして若くしてリタイヤすると大体が冒険やスポーツで記録に挑戦したり
するケースが多い。やはり生きるエネルギーを形を変えて何かにぶつけてみたいのだろう。
しかしリタイヤをIRS(税務署の事、IRSと聞けばアメリカ人は本当にすごくナーバスになる)の目を欺くためという目的だという人も実はいるんだ。
リタイヤ先はバハマやケイマン諸島。一見夢の南国の楽園だが
実はタックスヘイブンの国でもある。
ある時バハマの目もくらむ海岸で俺が身体を焼いていたら隣のレストランのテラスでボソボソと携帯で仕事の指示を出している50代の男がいた。
ふと話す事があり話を聞いていると面白かった。
アメリカやその他の国で大きな利益を上げてしまった場合多ければ
4割から6割を税金で持って行かれてしまう。
しかしタックスヘブンの国では所得税率は数パーセントからゼロの
国もある。
これらの国に会社を設立し、支社をNYやパリやロンドンにしてビジネスを
今までどおりにするのだ。
幾ら利益を上げても海外の法人なので税金の取りようがないのだ。
バハマの首都ナッソーに法人を設立して代表者はバハマの永住者か
バハマ国籍を有している事が条件だがリタイアと称して永住権の
資格を得ていれば代表者になれる。
そして世界主要都市の支社をバハマの海岸からインターネット電話と
Eメールでコントロールするのだ。
今の俺は凄まじい忙しさだがこれではたとえいくらお金があったとしても
(ないけど)幸せとは言えないのではないだろうか。
たとえ年収100万円でも自分の好きな時間を持てて有意義な時間を
持てる幸せってあると思う。
高級マンションに住み、ブランド品で飾り、高級車を乗り回すのが
幸せなんて価値観はなぜどいつもこいつも日本の小金持ちは
同じ事を繰り返すのだろう。
サラリーマンはマイホームと子供の受験が人生の夢と言う。
情けない話だよ実に。
1円でもローンが残っていれば「マイ」ホームなどではないのだ。
アメリカでは日本で言う中位の経済力があれば
けっこうないい生活ができる。
生活の根幹のガス代、家賃、飛行機代、高速料金、食費、
レクリエーション代、被服、通信費、が安いからだ。
外人が成田空港に到着して一番に驚くのは成田から東京へ向かう
景色を見てあまりにも狭くて貧しい家が続くのをみて「これが経済力
世界第2位の国なのか」と思うのだ。
手にも掴めない霞のような「優秀」とか「経済力」などの言葉に
踊らされて死ぬほど働かされていく。
産科の病院も受験も結婚式場も葬式も焼き場も全てが
ベルトコンベアだ。
生きると言う意味がこんなにも意味が無く流れ作業になり
感動も幸せもその流れのほんの調味料みたいにたまに感じる
だけの人生に皆は疑問をもたないのだろうかな。
俺は完全に自分の手がかからなくとも利益を出していける会社を
信頼できる社長にまか会長にリタイアし南国と自然と雪山の
スポーツを交互に楽しみ、欧州の文化に触れる旅に年に数回出かける
生活を夢見る。
今そのリタイヤに向け計画を練り始めた。
楽しみだな。