マディソンアベニューには多くの広告代理店が集中しているので有名なんだ。
日本の電通などは一業種複数社の扱いをする。
日産とトヨタ、キャノンとニコン、松下とSONYとかを同じ電通で扱う。
もちろん部署は違う。だからクライアントが打ち合わせに来るときなどは
会議室のテレビをSONYしたりパナソニックにしたりと大変だ。
倉庫に交換用の機材がちゃんとあるんだ。
でも俺はYAMAHAの二輪車とヨットが担当だったけど乗ってるバイクは
ホンダだったので結構ヒンシュクだったなあ。
YAMAHAも大好きだったけどね。
アメリカでは一業種一社がルール。秘密が漏れる恐れがあるから。
だから日本のシステムがおかしいんだ。
日本では広告代理店って言うと学生の人気就職先ランキングで上位に
きたりしてエリートみたいな扱いをされているだろ。
ところがアメリカでは広告代理店は大卒の就職希望ランキングでは
最低なんだ。
なぜか人気がないんだ。
しかしマンハッタンでは広告関係のアーティストが一斉にIT業界へなだれこんで
来ているんだ。
日本ではシリコンバレーばかり知られているが実はITのテクノロジーの面でも
アートの面でもマンハッタンはかなりのものを持っていて「シリコンバレー」ならぬ
「シリコンアレー」と呼ばれるくらい凄いのは意外と知られていない。
マンハッタンの店のショールームの飾りつけのセンスは素晴らしく毎年それだけで
分厚い写真集が出てすごい売上をあげているんだ。
ボーグなどの雑誌の写真を見ると写真の腕前は日本人などはまだまだだなって思う。
プロスポーツ選手が契約を結んでいるエージェントの仕事は面白い。
インタビューの答え方。ぶっきらぼうにしない。服装やライフスタイルや趣味まで口を挟んで
くる。要はスポンサーがこの選手を商品の広告に使っても大丈夫だと思わせるのが大事なんだ。ギャラの交渉も全てやるんだ。いかに選手の商品価値を上げるかだけを考えているんだ。
俺が一度見てみたいもの。それは日本の選挙のネガティブキャンペーンCMの応酬。
凄まじいだろうな。
大統領戦たけなわだが過去のCMを見てもできにうなるものが多い。
これらも全て広告代理店の仕事。
大分前だがデラウエア州出身の民主党のデュカキス候補をこき下ろす
共和党陣営が作ったCMを見た事があった。
真っ黒なヘドロで汚れたに黒い波が打ち寄せている。ナレーションで
「環境破壊反対を訴えているデュカキスの地元の海がこんなの汚染されているのを
知っているだろうか」
これは強烈なCMだった。一発で落選だった。
必要なら競争相手の足も引っ張る。まさに弱肉強食のアメリカだ。