クライアントとの打ち合わせも先方のオフィスで夜の午前一時から
なんて事もある。最終便で空港に到着し荷物を抱えながらそのまま打ち合わせ
ってのも実によくある。
当然正面は閉まっているので警備室で手続きをして
からでないと入れない。
そしてシティコープビルとシーグラムビルの警備室はその入館の
セキュリティーチェックにもたつくのが有名でビルに入るのに20分
かかったりする。さらに911以降はカメラで顔を撮影するコーナーまで
できた。そして数枚の書類にサインさせられる。
ぎりぎりの時間で到着した時はこの手続きの時間が実にめんどうなんだ。
鞄は全て机に中身を出さされる。
手続きにつまらないいちゃもんをつけた警備員と口喧嘩になったりはもうしょっちゅう
だった。
俺の書類のサインが済んだら写真付きのIDを提示しろと言う。俺が免許を見せると
免許と俺を交互に見てまるで怪しいものでも見るような目付きだ。
「OK」とあごを振って行っていいぜみたいな態度をする。
あったまに来た俺が皮肉って「サンキュー・ベリー・マッチ」を
もじって「ファック・ユー・ベリー・マッチ」ってセリフを残すと顔が赤くなって
怒っている。
ほとんどの警備員はとてもいい男なのだが急いでいる時に限っていやな奴に
あたってしまう。
また書類だけを警備室に言付ける事もある。日本の場合まず100%届くが
アメリカの場合かなりいい加減で遅番と早番の引継ぎがちゃんとできて
おらず書類が行方不明になるケースもままある。
イスラエル領事館やビルに金庫を持つ銀行などは夜間入口は窓の無い
カメラだけの部屋に通されそこでマイクに向かって会話して訪問の目的を告げる。
そして携帯もキーホルダーも出さされて空港みたいな金属探知機を潜らされる。
警備員は拳銃を携帯している。
アメリカでは去年、テロ警戒のための電話の盗聴を行っていた事を明らかにした。
俺の知人は中東から来た手紙が開封した後がありFBIが黄色いテープでふさがれて
いて検査のために開封したとスタンプが押してあったという。
テロ取締りに名をかりた基本的人間のプライバシーが損なわれる時代の波が
ひたひたと押し寄せて来ている。
自由の国アメリカに何が起きているのだろうか。