NYには代表的な高層高級マンションがユナイテッドネイションタワー、
トランプタワー、そしてオリンピックタワーとある。
これぐらいのマンションのペントハウスはフロアーをカラッポのまま
買って中を自由に設計施行するんだ。
ある日オリンピックタワーに用事が終わってエレベーターで降りて
いたところあるフロアに停まると口まで覆った綺麗なサリーを
着た女性二人が現れてエレベーターのドアを両側を抑えた。
すると例のアラビア人の服をまとった大男が現れた。
後ろに3人ボディガードや秘書を
引き連れている。
俺は一発でこの男が誰か分かった。
アドナンカショーギ
アラブ世界一の武器商人だ。
サイディアラビア、イラク、イラン、アラブ連合、イエメン、シリアへの
武器の輸出は全て彼を窓口にしないと輸出できないのだ。
そのアラブ世界への人脈とアメリカの軍産複合体との繋がりはとても深い。
1987年のイランコントラ事件でも喚問された事もある。
また1997年にパリでダイアナと死んだドディファイドはカショギの甥である。
自家用ジェットはボーイング727の普通の旅客機。普通の座席をとっぱらい
絨毯を敷き詰め豪華なソファを置き、食器類は特別製のオーダーでカショギの
イニシャルが入っている。
この世界有数の大富豪がNYではこのオリンピックタワーにいる事は聞いていた。
住居用に1フロアーとプールをさらに1フロアー作ったと聞いていた。
世界に100ケ所に住居があると聞いた事がある。
彼の娘はリビアのカダフィの夫人でもある。何番目か知らないが。
こんなに成功した彼だが以前はトイレも風呂もない雨漏りのする部屋で
失意のどん底にいた事がある。
それを救ってあげたのが前にニクソンの話で書いたやはりニクソンを助けた
ジョンシャヒーンなのだ。
その話を聞いた時、カショギにもそんな時代があったのかと信じられない思いだった。
人生分からないものだ。どんなどん底でも諦めてはだめなんだな。
ギブアップした瞬間負けになる。
どんなどん底でもギブアップさえしなければ負けじゃない。
でもすごい男に偶然遭えて面白かった。話してみたかったけどそんな雰囲気じゃなかったな。