カリブ海の小さな島の港街を歩いていると子供たちから「チーノ、チーノ」とか
「チンク」って言われた事があった。
「チーノ」とはスペイン語で「中国人」という意味だ。
俺が「ソイハポネス(俺は日本人だよ)」と言うと「だったらチーノだ」と言われた。
チーノとは東洋人一般を馬鹿にした言い方なんだ。
「チョリーナ・ユー・ワナ・ナックル・チョリソー?」(インディア野郎、ゲンコツの
チョリソ欲しいか?)ってこっちもやり返す。
NYでも普通に生活しているとオフィスでもレストランでも、日本人を
馬鹿にしたような態度をされることがたまにある。
5番街のカルティエやエルメスで、日本人観光客がたまにどっと押しかけたり
するとショーケースにいるスタッフがペラペラって普通の日本人に聞き取れないような
速度で日本人に向かって日本人の悪口を言っていたのを何度か偶然聞いた事がある。
笑顔で「こいつらイエローモンキーに買われる商品が可愛そう」
って。
本屋でトーマスクックの時刻表を買いに行った時、レジで「お前ら黄色い猿ににこういうものがわかるのか?」という態度を取られた事もあった。
俺は笑いながら「あんたら白い豚がこんな本作れるなんて大したもんだぜ」って
言い返したら真っ赤な顔してレジから飛び出て来たのを他の店員が止めていた。
LAのレストランのローリーズでValet Parking (ボーイに鍵を渡して駐車してもらうパーキング、バレーパーキングと発音する)でいくら待ってもボーイが車を取りにこない。
20分も待たされた。
その時は安物の大衆車だった。
別の日キャデラック・フリートウッドで同じレストランに乗り付ける。
弾かれた様にボーイがすっ飛んで来る。
実はアメリカでは車を見て差別をするあからさまないい例だ。
日本人は自分たちが世界の先進国で、世界中の人が日本に憧れ、
日本を尊敬し、日本みたいになりたい思い込んでいるようだ。
しかし、現実は違う。
日本人は、よくアメリカの黒人差別の「ルーツ」とか「アミスタッド」なんかの
映画を見て涙し差別は許されないなどと言うが、実は黒人が日本人を差別している。
俺がバハマで休日を過ごしていてもリゾート客はほとんど白人の欧米人だ。
そこに場違いな東洋人がふらふらと迷い込むと、欧米人観光客からも、
ホテルのスタッフからも、現地の黒人からも差別を受けることになる。
日本人は欧米人に比べれば、ランクは下に見られる。
日本人は東南アジアでは金をばらまいていても、丁重な扱いを受けてるつもりでも
彼らが敬意をはらっているのはお金に対してだ。
バンコクでも欧米人には「サー」と返事しても、日本人には「ミスター」と返事をする。
シェラトンホテルの宿泊料金が高いのは、従業員に人種差別をしないように教育しているからなのだ。
世界中のほとんどの人は、日本が一流国だなんて思っていないし、
関心も無い。
ただ日本の女の子が世界中で人気なのはこれも実は差別なんだぜ。
別の意味でな。
NYで人気のComic Strip Liveってコメディショーで名を上げてきた
RIOって
日本人コメディアンがいる。
これで笑える日本人がいたら辛いぜ。これで飯食ってるRIOを
一度ぶっ飛ばしてやりたいぜ。
でも考えて見てくれよ。京王プラザホテルが東洋の団体ツアーでいっぱいだが
もしニューヨークのウォルドーフアストリアホテルのロビーが日本人で
ひっくり返っていたとしてそれを見たアメリカ人がどう感じるかって事を。
一流のブランド品を所詮身にまとってもいいホテルに泊まっても
イエローはイエローとしか見られないんだな。