プラザホテルのパーティーでハリウッドの俳優の
パットモリタさんに逢った。
けっこう長い間話ができたんだ。
俺はパットさんは映画「カラテキッド1~4」のひ弱な主人公に
空手を教える沖縄空手の師匠の役ミヤギがとても印象に残っている。
日系アメリカ人だが日本語は一切話せない。
パットさんはハイスクール卒業後、家族を支えるために
コンピュータ関係の会社で働いていたが、
これでいいのかと自分自身の人生を考え直し
一大決心してショービジネスの世界へ入る。
サンフランシスコでスタンダップ・コメディの舞台に立ち、
テレビのバラエティ番組に出演。
一流のコメディアンとして頭角を現した。
主な出演映画は
1967年「モダン・ミリー」
1976年「ミッド・ウェイ」
1981年「ハイ・スクール・ウルフ」
1984年「ナイト・パトロール」「ベスト・キッド」
1986年「ベスト・キッド2」「おもちゃの国のクリスマス」
1989年「ベスト・キッド3」「ベスト・コップ」◇
1992年「ハネムーン・イン・ベガス」
「マーシャル・コマンダー 黒の攻襲」
1994年「カウガール・ブルース」「ベスト・キッド4」
1996年「スパイ・ハード」
1998年「ムーラン」(声)
1999年「ヴァン・ダムinコヨーテ」「リメンバー・エイプリル」
2001年「パット・モリタVSプレイメイツ/ボディ・エンジェルス」
などだ。
「ベスト・キッド」シリーズの空手師匠ミヤギ役ではなんと
アカデミー助演男優賞にノミネートされた。
主役では89年「ベスト・コップ」のフジツカ刑事役が有名だ。
彼の話ではハリウッドの映画の中には日本人の役が沢山
登場する。
オーディションもオープンに開催されていて誰でも参加できる。
しかしまず日本人をオーディションで見かけた事がないと言う。
ほとんどが中国人や韓国人の俳優に役をさらわれるのだ。
アメリカ人からすれば実は白地図を見せてどこが日本か
示させてもまずできない。
「日本は中国のどこの部分にあるんだ?」って真顔で聞かれる。
日本の総理大臣が誰か答えられるアメリカ人はまずいないだろう。
日本に対する認識はそれぐらいなものなのだ。
そしてアメリカの情報は全て日本へ流れ込んできているなんて
認識も捨てた方がいい。
アメリカでベストセラーになった本でも日本へ入ってくるのは
そのうち二割程度と言われている。
雑誌などは一割くらいだ。
アメリカの本はページ数が多く日本語に訳してもかさばるし
分厚い本は本屋の店頭で平積みするにしても崩れるので
新刊でも本棚に仕舞われる。すると人の目に触れる機会が
減り、結果売れない。だから出版社が出版しないのだ。
でかい本で売れているのは「ハリーポッター」だけだ。
だからアメリカにはまだまだビジネスのネタはころがっている。
日本人の俳優にとってハリウッドの壁はやはり高いみたいだ。
日本武道の心得のある役はゴマンとある。それなのに悲しいかな
英語力がついていけない。
俺はひとつのビジネスアイディアとしてアメリカのオーディション情報を
日本の俳優たちへ紹介する事を思いついた事もあった。
さらにオーディションを受けたい俳優をサポートするために
写真撮影、英文レジュメ、カメラテスト用のビデオ作成、
英語面接の特訓までをビジネスとして考えた事もあった。
話はもどるがパットさんはとにかくこんないい人がいるのか
というぐらいかわいいおじいちゃんだ。
パットさんのタキシード姿が映画のイメージと違い不思議だった。
でもアカデミー助演男優賞ノミネートされた大物俳優なのだ。
スクリーンでしか逢えない俳優に逢え話ができた事に感動した。
またまたパットさんの大ファンになった。
日本の俳優よ、もっと羽ばたけ!