レストランのベニハナオブニューヨークに何度も何度も通った。
実は純粋にベニハナの料理はほんとに大好きで、日本出張から帰った時も
必ず最初の食事はベニハナって決めているんだ。
ある日、クラシックなロールスロイスが店の前に停まっていた。
何度も雑誌で見た事があるロッキーさんの車に違いない。
「逢える!ロッキー青木さんに逢える!」
店に入ったらいた!クロークの電話で話している後ろ姿は正に
ロッキーさんだ!
電話が終わるのを待って話しかけた。「ロッキーさんの本全て読みました。
こうやってニューヨークに来たのもロッキーさんのおかげです」と。
ロッキーさんは少年の様な笑顔で手を差し出してくれて握手してくれた
凄まじい固いグリップだった。
バーに連れて行ってくれていろいろ話を聞いてもらえた。
今までやってきたこと。今何の仕事してるか。将来の夢は。
夢のような時間だった。
店の店長やスタッフにも紹介してもらえた。
英語のロッキーさんの本を頂きサインしてもらえた。
「これからもいつでも遊びにきなさい。」って自宅の住所と電話番号も名刺に
書いてくれた。これは今でも僕の宝物。
その日はそのままオフィスに帰っても興奮さめやらず。
一人叫んでしまった。忘れられない夜だった。
その日からベニハナへよく通いロッキーさんに話をしてもらうことが
多くなった。ビジネスとは、アメリカとは、本にも出ていないロッキーさんの
結婚の失敗の話、特に驚いたのが「ゴールデンタッチの男」と言われ
手がける事業は全て成功していると思っていたのだが実は何度も失敗しているらしい。
ベニハナステーキの冷凍食品販売、プレイボーーイに次ぐ男性誌の出版、
アトランティックシティでのカジノの経営。それらは頓挫したらしい。
初めて聞く話だった。
それとビジネスの秘訣を教わった。
1 夢を持つ
2 徹底的に調査し準備する
3 命がけで実行する
実に簡単だが一番大切な事だと教わった。もうアメリカが長いせいか話の佳境に
なると全て英語になってしまう。でもはっきりとキャッチできた。