70年代から90年代前半にかけての地下鉄は落書きが外側と内装に書かれた
車輌が多かった。
最初はきったないあと思っても不思議と「ああニューヨークだなあ、映画と同じだー」て
感じる。特によくみるとよく出来た落書きもありその芸術性には感心する事もある。
絵葉書になってる落書きもあるのには驚いた。
今は落書きされてもモップで簡単に落とせる車輌になってしまった。
これが日本製の車輌っていうのは結構知られていないんだ。
これらの落書きから有名な画家も生まれている。
僕の大好きなバスキアやキースヘリングもそうだ。
なんとエネルギッシュで惹きつける絵だろう。
窓のステッカーが面白い。「唾を吐かないように」とか「ドアにもたれないように」
なんて書いてある。
乗っていたら突然演説を始める奴がいる。まるで街頭演説だ。
そして寄付を募ったりする。
サックスやトランペットやギターを弾いたりする奴もいる。
カーテンを引いて小さな舞台ができて本格的な人形劇が始まった事もあった。
そして皆もそんなのを適当に楽しんでいる。
朝ラッシュアワーでも決して奥に詰めようとはしない。外国人はとにかく知らない人どうしで
身体が触れ合うのを極端に嫌がる。
街ですれ違い様に触れたり触れそうになっただけで「エクスキューズミー」になる。
たまに日本に帰るとぶつかっても何にも言わない奴が多いのに気がつく。
ぎゅうぎゅうの満員電車なんて考えられない。
一度無理矢理乗ったら大ブーイングで恥ずかしかった。
日本なら乗り過ごしても次の駅でおりて逆方向のホーム行けばいいがNYでは
一度外へでてまたキップ買わないと入れない駅が多い。
だから駅内でホーム移動ができる駅を覚えておかなければならない。
だんだんこつが分かってくるけどね。
有名なジャズの曲で「Take A train」ってあるけどこれはマンハッタンのウエストを
走るAラインの事を言っているんだ。
同じホームでも行き先の違う電車が入ってくるし、行き先が全く間違ってる電車もしょっちゅうだし、突然運休したりするしいい加減この上ないけどどこか味わい深いのが
NYの地下鉄かな。