例えば街で銃でホールドアップされても常識的に言えば
$50位を渡してしまうのが一番いい対処方なんだ。
俺は幸いただの一度もない。
知人の若い日本人の女性でホールアップされて「DUCK!」って
言われてその意味がさっぱり分からなくてたたずんでいたら
頭をバッドで殴られて3ケ月間意識が戻らなかった人がいた。
ダックはアヒルみたいにかがめと言う事なんだ。
気の毒でしょうがなかった。
アメリカ人はもともと東洋人をどこか不気味に感じている。
喧嘩するときもこちらが
「お前が俺をここで殺しな。でないと俺がいつかお前を殺すよ」
って言うとほんとにびびる。
銃を向けられても全く動揺しないのがベトナム人とカンボジア人。
彼らの多くは死線を乗り越えて家族を目の前でポルポトのクメールルージュに
殺されてきた連中なんだ。
銃を向けられたらほとんどが即発砲されている。
目の前で幼い弟が頭を撃ちぬかれその紫色の脳漿がまざった
血を浴びた経験があるのがうちの電話会社C&W社の担当セールスだったカンボジア人の
トリ・ファムだった。トリはとにかく笑わないんだ。絶対。もくもくと仕事するだけ。
自分でも言ってた。もう自分の感情はあの時死んだと。
だからむちゃくちゃなポーカーフェイスだから交渉相手としては飛び切り苦手な相手だった。
カンボディアでは銃は殺す気があればいきなり発砲するだろうし、脅しで向けている銃は
彼らはあの戦場を潜り抜けてきた経験から恐怖の神経と冷静さが抜け落ちているのだ。
だから銃を向けられても自分から相手に歩いて進んで銃口を自分の心臓にあたる
位置に立つ。そして「いいか、ここをはずすんじゃんあいぞ。でないと次の瞬間
俺はおまえの喉に一瞬で噛み付くぜ」と言うと強盗の方がびびってしまうんだ。
さっさと$50位渡してしまうのが一番ベストだがそれでも大事な人に危害が
及ぶ時は完全なる戦闘モードだ。何の遠慮もいらない。
命をかけて守る。
死ぬときも「SAMURAI」でいたい。