ここNYはとにかく夏暑くて冬はめちゃ寒い。
春と秋は極端に短い。
昨日まで日射病になりそうな位暑かったのが翌日は吐く息真っ白だったりする。
五月の末にドカ雪が降ったりする。
12月のクリスマスシーズンはこの街が一番美しくそしてどこに行っても
まるで夢の国のようになる。
ロックフェラーセンター前の大型のクリスマスツリーは毎年コンテストで選ばれた樫の木が
選ばれて運ばれる。いつもオープンカフェの前の広場はスケートリンクに変わる。
中庭は沢山のクリスタル像の天使がファンファーレを吹いている。
ティファニーがある五番街と57ストリートの交差点には大きい雪の結晶のイルミネーションがともり五番街のはるか先のハーレムからでもはっきり見える。
メトロライフ社のビル(元パンナムビル)は窓の灯りが巨大な十字架になる。
JFK空港に出張から帰るとその吹き抜けには大勢の聖歌隊が賛美歌を合唱している。
オフィスビルの1階で全員サンタクロースの格好をしたビッグバンドがグレンミラーや
ベニーグッドマンの曲を演奏している。
あちこちでオーケストラが第九を演奏している。
デパートのメイシーが建物全体をリボンでプレゼントに見立ててデコレーションしている。
街中クリスマスソングが鳴り、どこもかしこもセールをしている。
12月だけのラジオシティの一糸乱れないロケットラインダンスの艶やかさは
筆舌に語りがたい。
エンパイアステートビルのイルミネーションがブルーと赤のクリスマスカラーになる。
そこらにさらに雪が降ったりすればそれは息を飲むような美しい街になる。
ホワイトクリスマスになる確率はかなり高い。
オフィスにはクリスマスカードのサンプルをカバンに詰め込んだセールスマンが
毎日のように訪ねてくる。
街は盛り上がっているがカードに「メリークリスマス」などは絶対書かない。
送る相手の宗教が様々だからだ。
「シーズンズグリーティング・アンド・ハッピーニューイヤー」が一般的。
ぜひ見せてあげたい。でも悲しいかな12月後半から年末にかけて凄まじい忙しさに
突入する。
イブの日は社員を早引けさせるのが慣習。でも俺は徹夜だったりする。
日本はクリスマスというと恋人とレストランやホテルで過ごすのが儀式みたいになっているが
こちらでは家族と自宅で過ごすのがほとんど。料理も全部手作りだ。
夜には街にも駅にもほとんど人影がなくなる。
後で聞いた話。
ある投資家がシリコンバレーのイブの夜に会社を周って駐車場に車が停まっていて
夜までも仕事をしている会社の株を買うと言っていた。
しかし俺の事はだれも見てくれてなーい。
誰かクリスマスを年末ではなく11月末にしてくれー!