CMフォンのプレスキットを作成した。ペレスキットとはマスコミの
記者が記事を書くのに必要な資料だ。CMフォンとはから
始まり、広告業界の現状、考察。
電話をかける人のメリットや広告のスポンサーのメリットを述べる。
マスコミ向けに配布するCMフォンのビデオをモデルを使って撮影した。
これは昔の電通の映像チームの先輩に依頼した。
Vmaxで撮影したものをVHSにダビングしてマスコミキットに加えた。
このキットを無差別に各マスコミに配布しようと思ったが実はこれは
よくやる企業のミスなんだ。
各メディア一社に絞るべきなんだ。
マスコミには実は完全なる序列がある。
新聞、テレビ、雑誌、ラジオの順番だ。もちろん主要なものでだ。
最初は在日の外国人が多数読むジャパンタイムスに資料を送り
反応を探ったが担当者に資料を送って電話をして熱心に説明したが
記事にはしてはもらえなて却下されてしまった。
こんな場合いきなり本命にはコンタクトしないものだ。
最初の一回でかなりの要領が分かる。
読売新聞の郵政省の記者クラブにコンタクトした。
アポを取り、郵政省記者クラブへ出向き取材を受けた。
俺はいかにCMフォンが効果的な広告メディアかを、
そしてユーザーには無料の電話のメリットがあるかを
熱心に資料をもとに話した。
説明と質問が一通り終わっても記者は腕組みしてしばらく考え込んでいる。
一言記者が言った。「検討させてください」
それからは試作モデルの制作を急がせた。音声CMを実際作成するために
知人の旅行代理店のパックツアーをCMとして制作に入った。
銀座のスタジオでナレーターの女性に吹き込みさせ音楽と効果音をつけた。
そうこうしながらこのCMフォンのいくつかの問題点も発見していた。
今は高い電話料金だが必ず値下げが続き、無料のメリットがだんだん薄れていく。
今うちでも調査中のインターネット電話(IP電話)とインターネットの普及が
インターネットとテレビと電話の境界線を取っ払ってしまう時代が必ず来る。
画像データは圧縮できるが音声データは圧縮が難しく広告と通話が殺到した場合、
すぐにサーバーが容量不足に陥る可能性がある。
インターネット時代の本格的到来が数年先に見えてきていたが
それまでの間だけ大暴れしてやろうと思った。
取材から10日位してから携帯に読売の記者から連絡が入った。
「明日の朝刊で行きます!一面です」
俺は小躍りした。読売の一面だ!堅物揃いの一族の中でも
読売新聞の一面に載った奴はいないだろう。
当日の朝、四谷駅のキオスクの売店で買った読売を見て
感動した。確かに載っていた。やったーの気分だ。
すぐにNYへ電話してサンプルを急がせた。
その日にまず日本テレビのニュースの取材が入り、TBS、フジTV、テレビ東京と
立て続けに取材が入った。キャスターがオフィスを訪れ俺にインタビューをしていく。
ニュース以外でも多く取り上げられたが
テレビ東京は「ニュース犬ブーニーちゃんが行く」のコーナーだった。
柴犬のブーニーが取材をするという設定なのだ。テレビでは吹き替えの音声の
ブーニーが俺にインタビューをする設定なのだ。
犬が俺に「どうして電話が無料になるのー?」ってブーニー。
俺が「それはねー・・・・・」って説明するわけだ。大勢の社員や取材班に囲まれての
取材だったけど楽しかったなあ。
そしてNHKが来た。日本放送と海外放送と両方取材に来た。
さらにアメリカのABCが取材に来た。これらの取材はインタビュアーは全て
アメリカ人だ。俺の受け答えも全て英語になる。
かなり文法的には問題ありかもしれない英語なので放送されるのは
恥ずかしかったな。
毎日新聞も取材が来た。週刊誌の超メジャーは文春と新潮だ。
政治家のスキャンダルはほぼここから発火するほど世論をリードしている。
文春が来たのはまた嬉しかった。そのほか多くの女性誌、男性誌、ラジオが
取材に押しかけた。
以前から時々マスコミにはちょくちょく出ていたがこんなに立て続けにでるのは
初めてだった。
NYへ帰る飛行機の中でNHK機内ニュースで自分のニュースを見たのは
恥ずかしかった。隣の外人がそれに気がつき驚いていたな。
世の中の騒ぎとはうらはらにサンプルの音声割り込みがスムーズに
割り込めないのだ。一晩ごとに試作品をテストしていると時間が無駄に
すぎるので直接NYで指揮をとるためにNYへ戻った。
世間の期待度は俺の予想より遥かに大きい。これはえらい事だった。
続く・・・・・・・・・・