日本ではけっこう税金を滞納したり税金をごまかしたりする社長も多いし
わりと身近に聞くよね。
アメリカは日本みたいに会社が天引きしてしまう事はない。全て個人申告なんだ。
毎年申告の期限が迫るとテレビで繰り返し期限を通知する。
その期限を理由なく破り放置すると逮捕される。
また法人税を滞納するとある朝オフォスに立ち入り禁止の黄色いテープが
張ってあってオフィスに入れない。完全なるロックアウトだ。
日本では考えられない。
映画「トップガン」でも会話に出てくるのが「大切な戦闘機を墜落させていくらの
税金がパアになったか分かっているのか」という会話だ。
また警察官は制服にはクリーニングしアイロンをかえ綺麗にしてパトカーは常に
洗車して汚れていない。彼らはよく言う。「納税者からの預かり物」なんだと。
こんな意識を果たして日本の官僚や役人が持っているだろうか。
国の最高権力者は「国民」なんだと徹底している。
日本の官僚は自分を優秀なエリートだと思っている。国民が食えて生活していけるのは
官僚やお上のおかげと思っている。
税金で建てた一等地の官舎に格安の数万円の家賃で住んでいる。
課長クラスで乗れるハイヤーが省庁の駐車場にあふれている。
中央官庁から地方に視察に訪れる時は地方自治体は接待をする。
コンパニオンを時にはつけたりする。全部税金だよ。
役人が役人を予算を回してもらうために接待するんだ。税金で。
これでは国民も税金を払いたくなるわけがない。
税金とは社会の会費みたいなものだ。その使い方は明らかにされ正しく使われなければ
ならない。
アメリカは税金の取立ては厳しい。凄まじい。しかし収めた税金は大切に使われる
はずだ。ただしくだらない戦争にも消えていくが。会計は明瞭だ。
アメリカの会社の決算も毎年行う。俺はNYでキャリア契約の会社、LAでクレジットカード決済会社、日本で国際電話サービス会社、インターネット総合サービス会社など日米で現在計5つの会社を持っているが
決算は大変だ。アメリカと日本のそれぞれの会計士に任せることになる。
あらゆる合法的節税を行う。
3年に一度国税局から監査が入る。税務署の監査に比べ国税局の監査はかなり
厳しい。いわゆるマル査だ。
目をつけられるのには理由がある。毎年数億円の現金が日本とアメリカを行き来しているからだ。隠し預金でもあるのかと疑われているんだ。
監査がくると一ケ月はそれに付き合わされる。アメリカとのやりとりのEメールとFAXを
全てみせろと言う。
パソコンのメーラーを開き、FAXの束を渡す。
じっと一枚一枚しばらくめくっていく。そして一言「英語じゃぜんぜんわかりません。なんて
書いてあるのですか」と聞いてくる。
それにつきあわされるのはたまったものではないが3年に一度の儀式みたいなものだ。
やましいところはひとつもないのだが査察官からみると怪しくてしょうがない。
結局CMフォンのデモVTRの制作のための出演してもらった女性モデルのギャラが
未申告だったのでそれを申告しただけで監査は終了。
NYでは市税、州税、連邦税と複雑怪奇、悪魔の税金計算と言われる。
優秀なCPA(会計士)無しではとてもできない。
しかし日本とアメリカの税金の考え方の差は大きいといつも思うぜ。